YouNet 21世紀の賢い健康体力づくり講座 (最終回)・・・(230319掲載)

〜いつまでも若々しく活動的に!ゆっくり小走り習慣〜
フィットネス総合研究所
土屋 真人
http://www.fgi-jp.jp/
いくつになっても健康で活動的な毎日を過ごすために、必要な体力として「脚筋力」があります。階段を上がったり(片脚で自分の身体を持ち上げる動作)、つまずいた時に転ばないように片脚で踏ん張ったりできるためには、片脚で自分の体重を十分に支えることができる「脚の力」が必要です。この「脚の力」は、太ももの前面にある筋(大腿四頭筋など)が中心となって発揮されます。この太もも前面筋は、運動不足や加齢で、とても衰えやすいことが知られています。太もも前面筋の筋力を維持することは、若々しく活動的な毎日を過ごすためにとても大切なポイントなのです。ところで、この太もも前面筋は、平地のウオーキング(歩行)だけでは、あまり鍛えることができないことが分かっています。ですから、日ごろ平地のウオーキングだけをなさっている方は、次のような習慣をプラスすると、太もも前面筋も活性化し、ウオーキングもより効果的なものにすることができます。 
(1)ウオーキングコースの途中に階段や上り坂を組み入れる 
(2)ウオーキング途中に「ゆっくり小走り」を入れる 
(3)できるだけ日常で階段を使うようにする 
(4)太もも前面筋の筋トレを習慣にする
この中で(2)「ゆっくり小走り」について少し補足します。「走る」ことについて一般的なイメージ、思い込みがありますので、まずはそれを外すことからスタートです。そのイメージとは@「歩く」よりも速いスピードで走らなければならない (2)走るときつい (3)走ると足腰、膝に負担がかかる、というものです。市の健康講座などでご紹介する「ゆっくり小走り」は、(1)「歩く」よりスピードが遅い (2)息もはずまない (3)前足部(足指のつけ根あたり)から着地するので、足腰への負担が少ない(踵から着地すると足腰への負担は3倍になります)というものです。まずは、20秒からおススメしています。皆さん、「これならできる」「きつくない」とおっしゃいます。ヒトは歩けなくなる前に走れなくなります。「走る」ことはヒトが持つ能力のひとつです。その「走る」という能力は使わないと衰えていきます。脳の中でいうと「走る」ための神経回路が使われなくなるということです。ほんの少し、「ゆっくり小走り」を行う習慣が、太もも前面筋だけでなく、脳の活性化にも役立ちます。ぜひ、お試しください。今月でこの連載もひと区切りとなります。今までご覧いただいた皆さま、どうもありがとうございました。今までお伝えした内容が、少しでも皆さまの健康増進に役立てば、うれしく存じます。皆さまがいくつになられても健康で活動的な毎日を過ごされますよう心より祈念いたしております。また、いつかお会いしましょう。
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