シリーズ  仏 像 (その2)・・・(220109掲載) 戻る

安らぎと救いを求めて…
一般的によく知られている「阿弥陀如来」と「薬師如来」について。阿弥陀如来は「西方極楽浄土の教主」で、死後の極楽浄土を約束してくれる仏、阿弥陀様です。一方、薬師如来は「東方瑠璃光浄土の教主」で現世での病気平癒、安産祈願、特に眼病に霊験あらたかとされています。
東方 瑠璃光浄土の教主
●薬師如来
〔薬師如来〕 右手の印相は怖れを取り除く施無畏(せむい)印。左手に万病に効く薬の入った薬壷を持つようになるのは平安時代から。
薬師如来は、正しくは「薬師瑠璃光如来」といいます。「東方瑠璃光浄土」とは、はるか東にある仏の世界のこと。薬師如来はまだ菩薩だった時代に立てた12の大願の中に、衆生を病から救うことが挙げられ、日本でも古くから病気平癒を願って多くの像が造られました。唯一持物(薬壺)を持つ如来として知られていますが、薬壺を持っていても薬剤師ではなく「大医王仏」、つまり人々の病気を治し、延命し、さらに精神的な苦痛も取り除いてくれるお医者さんです。医学が未発達の昔は、病気にかかるのは悪霊の仕業であって、お祈り以外に治療方法はないと考えられていました。薬師如来を本尊として建立された寺院は個人の病気平癒を祈願したものが多く、例えば法隆寺の本堂の薬師如来像は、聖徳太子の父君、用明天皇の病気平癒祈願のためと伝えられています。薬師如来の脇侍は日光菩薩と月光菩薩。そのほか眷属といって、如来の家来、あるいは分身の十二神将と呼ばれる武装した像を従えるときもあります。その印相は右手が施無畏印、左手が与願印で、左手の上に薬壺が載っていますが、古代の像にはほとんどありません。


西方 極楽浄土の教主
●阿弥陀如来
〔阿弥陀如来〕 持物を持たず、手で印相をつくります。極楽浄土には9つの世界があることから印相も9種類あります。(下図参照)
阿弥陀様は釈迦と同様に、元はインドの王子で、48の大願を立て修行の末に如来になったとされています。その大願の中で「念仏を行う者は必ず極楽浄土へ行ける」と、説いています。これが阿弥陀信仰が盛んになった大きな理由です。お経で繰り返して唱える「ナムアミダブツ」とは「南無阿弥陀仏」つまり「阿弥陀如来」のことです。「南無」とは、仏の名前に冠して唱える言葉で「うやうやしく礼拝すること」。脇侍は左に観音菩薩、右に勢至菩薩。阿弥陀如来を中心に3体を配置した形式が阿弥陀三尊です。阿弥陀仏が、念仏者の臨終に際し迎えに来てくださる時、勢至菩薩は念仏者に往生の心を起こさせ、観音菩薩は蓮台に念仏者を乗せて浄土へ導きます。そして、向かう極楽浄土には9つの世界があるといわれています。上品、中品、下品と上生、中生、下生を組み合わせた9種類で、印相に表されています。どの世界に行くかは生前の行いや信心の度合いによって定められます。一番上が上品上生、一番下が下品下生といい、亡くなってから四十九日まで七日ごとに七人の王に審査されるといいます。

阿弥陀如来の印相

【資料提供】 (株)松屋佛壇店