新聞社には、よく子供たちが見学に訪れます。社会科の「働く人々」といった単元に基づいて、企業や工場を訪れ、自分の目で仕事する人の姿を学ぶのです。昨年度の1年間で、中日新聞社の本社(名古屋市中区)に来たのは、小学生8583人、中学生821人、高校生以上3562人でした。中日新聞の場合、豊田や岐阜にも印刷工場があり、そちらに訪れる子供も多くいます。東三河の人たちは、県境をまたいで浜松市にある中日新聞東海本社に行くケースもあります。本社での見学は、1時間コースが設定されています。午前中ならサンデー版などの別刷りを印刷する時間に併せて、午後だと夕刊の印刷に併せて日程が組まれます。輪転機がうなり、次々と印刷したての新聞が出来上がる様子をこの目で見ることができます。刷り上がったばかりの新聞は販売店別に自動的に梱包され、ベルトコンベヤーに載ってトラックに運び込まれます。前後に、DVDによる「中日新聞ができるまで」の放映をホールで見てもらいます。記念写真を撮って、ミニニュースに組み込んだ「見学記念号」のプレゼントもあります。中学生の場合は、見学だけでは飽きたらず、記者活動や具体的な新聞製作の様子を聞きたいと求めてきます。そんな要望に応えるのはNIE事務局です。例えば見学後に1時間、具体的な新聞づくりのポイント説明や、記事の書き方、レイアウトの仕方などを教えます。そして質問タイム。中学生は事前にもろもろの質問を考えており、記者活動の苦労話や「記者になって良かった所はなに?」といった問いがよくあります。仕事人の生の声を聞いて理解しようとします。さらに一歩踏み込む中学生も。職場体験です。先日刈谷市の中学2年生4人が2日間にわたって本社を訪れました。「新聞に興味がある」「新聞製作現場を知りたい」のが動機で、通いました。このときのメニューは、新聞概論▽編集局で「編集組版端末」を使った特集面の編集作業見学▽小学生の見学集団と一緒に輪転工場、発送現場見学▽翌日、取材の仕方と記事の書き方▽レイアウトと見出しの付け方――の座学を経て、モバイル端末という「携帯式編集組版端末」で、ミニ新聞づくりに挑戦してもらいました。前日に見学したことを記事にしてくるよう宿題を出しておきました。見学した時に自分たちが撮った写真も用意し、端末画面で、記事と写真を張り付け、レイアウトし見出しも付けました。もちろん初めてで簡単に出来る訳がないので、事務局のスタッフがあらかじめおおざっぱにレイアウトしておき、最後の詰めを中学生にやってもらいました。出来上がったばかりの、まだ温かいA3サイズの新聞を手にした中学生は、感激いっぱいの様子でした。中日新聞では、子供たちに新聞に親しんでもらい学習の一助にしてもらおうと、いろいろな方法で応援しています。見学希望の方は本社(代表電話052-201-8811)見学係へ。原則、団体に限ります。 |