7月29、30日、熊本市で第15回NIE全国大会が開かれました。暑さ真っ盛りの肥後路に教育関係者と新聞関係者が大挙して訪れ、火の国熊本をさらに暑くしました。全国大会は、各地の持ち回り。都道府県のNIE推進協議会が名乗りを挙げ、日本新聞教育文化財団のNIE委員会で正式決定するシステムです。初めて開かれたのは東京で、その後、各地で開催。数百人が集まる規模ですが、第9回の新潟大会で1000人を超えました。
全国大会の分科会で熱心に発表を聞く参加の先生たち=熊本市の市民ホールで |
熊本大会は1700人というから過去最高の動員数です。全国大会は毎年7月の最終木、金曜日と決まっています。夏休みに入り、先生方も出かけやすい、という配慮ですが、おかげで、毎年、暑い大会になっています。熊本大会が最大規模になった理由は2つ。1つは、学校教育だけでなく、生涯教育を大会メニューに採り入れたこと。2つは、記念講演に落語家の桂歌丸師匠を呼んだことです。公民館講座などで学んでいる一般の人も対象になれば、裾野は広がります。歌丸師匠は人寄せにはぴったり。そんなわけで、1700人の参加者が会場と周辺をごった返しにしました。今年の全国大会のタイトルは「学校から社会へ~学びを深め、暮らしに生きるNIE」。まさに生涯教育を巻き込んだタイトルです。歌丸師匠は「笑いのある人生」の演題で1時間の話に入りましたが、いきなり大会タイトルにクレームを。「学校から社会へ、の前に、忘れていませんか? 家庭を。子供には家庭教育が大切なのです」と、厳しい指摘。全体に笑いを交えながらの話ですが、高座で聴くのと違い、ハラにどんと来る講演でした。この後、分科会に移ります。小、中、高校、大学、生涯学習に分かれ、参加者が希望する会場に集合。公開授業あり、ワークショップあり、そして実践発表、公開討論と手法は多彩です。参加者も身一つなので、慎重に講座を選びながら、聴講していました。私は、中日新聞から派遣された先生を取材するため、指定の講座で写真撮影を担当しながら、社会人一年生のための新聞読み方講座と、校内にNIEサロンというコーナーを設ける中学校の実践発表を聴きました。それぞれ独自のやり方ではありますが創意工夫で新聞を活用する教育に取り組んでいる姿が理解できました。すべての講座を受講できませんでしたので、配布されたレジュメ集を読みながら、勉強したいと思っております。来年は青森で開きます。NIEに興味を持たれた方は、教育関係者以外でも構いませんので、一緒に参加しませんか? |