全国の新聞社が教育委員会などと連携する新聞活用教育(NIE=教育に新聞を)は、都道府県NIE連絡協議会(連絡会)単位で活動を続けていますが、各新聞社も独自に、様々な活動を展開しています。中日新聞も社内にNIE委員会を設け、全社を挙げて取り組んでいます。メーンの事業は、最近、尾北地方でもスタートした「新聞切り抜き作品コンクール」です。テーマを決めて関連の記事を集め、模造紙にレイアウトを考えながら貼り付ける。見出しも付け、感想も書き込む。小学生から高校生までを対象にした部門と家族で作るファミリー部門があります。毎年8000点ほどが寄せられ、中日大賞などを選び表彰しています。このほかの大きな事業として、教育セミナーや研修会など先生が学ぶ講座を設けています。先日は「先生のための新聞活用研修会」を名古屋市中区の中日新聞社で開きました。学校学級新聞をパソコンで作るのをお手伝いしようというもので、昨年に続く開催です。愛知教育大の学生12人を含め40人が参加。終日の講義で、午前中は、NIE事務局スタッフが講師になり▽新学習指導要領と新聞▽取材と記事の書き方▽見出し、レイアウトのこつ――の3項目を伝授。午後は、ワードコースとパーソナル編集長コースに分かれて、パソコンを操作しながらの実践教室に。ワードはパソコンに標準装備されており、とりあえず始めやすいという利点があり、パーソナルは新聞編集に特化したソフトで、扱いやすいのが売り。ワードは、岐阜県関市旭ヶ丘中の安藤忠展教諭、パーソナルはソフト開発者の山本辰美さんらが指導しました。参加者は2教室に分かれ、プロジェクターによる映像で基本を学んだ後、持参のパソコンを使って実践実習。細かい操作方法を質問しながら、画面に食い入っていました。参加の先生たちは、学校で生徒や保護者向けの学校学級新聞(通信)を作っているか、これから挑戦しようとする人たち。この日は、プリントアウトまではしませんでしたが、「今日、教わったことをベースに、読まれる新聞を作ります」と満足した様子でした。
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中日新聞では、毎年、学校学級新聞コンクールを開いています。小中学校の児童生徒が作った学級、学校、個人、学習新聞と先生が作った学級や学年通信などの2部門。いずれも1年間を通じて2号以上発行されたものであることが条件。優秀作品を表彰しています。今年の締め切りは12月12日。先日の研修会参加者がこぞって応募してくれることを願っています。 |