HOME YouNet-TOP

YouNet 「NIE」シリーズ (3)・・・(220417掲載)

~教科書が変わる!~
中日新聞NIE事務局
服 部  賢
さあ、新学年がスタートしました。新しい教科書を開いての勉強が始まりました。ところで、小学生の今の教科書は、今年度限りだってこと、知っていますか?来年度からは教科書が変わるんです。中学生の教科書の場合は再来年度から変わります。学校教育の司令塔は文部科学省にあります。そこで定める“学校教育の憲法”とでも言うのが、学習指導要領です。この内容が随時、手直しされ、その都度、新しい学習指導要領に基づいて教科書が作り直されているのです。現行の指導要領から10年ぶりの改訂です。
            *            *           *
今の教育の基本は「ゆとり教育」です。土曜休日化などもあり、授業時間(コマ数)は削減され、子どもには、ゆったりとした教育環境の中で学んでもらうのが狙いでした。ところが、この間に日本の子どもたちの学力低下が目立ち始めたのです。経済協力開発機構の学習到達度調査(PISA)で、これまで世界で上位を守っていた知識、応用力、読解力が中位ぐらいに転落していったのです。「このままではいけない」――文科省や教育委員会の偉い人たちの危機感が今回の見直しにつながりました。さて、何が変わるのか。学力低下を返上するため、理科、算数に力を入れることになります。10年前とは世の中が変わってきており、環境問題は教科書に欠かせません。ほかに、裁判員制度や「縄文時代の復活」などもあります。ともかく教える範囲がぐーんと増えるのです。教科書のページ数は25%増。授業時間も増えます。先生も大変だし、子どもたちも大変!もう一つの特徴は「新聞活用」の単元が増えることです。「新聞記者になろう」や「自分新聞を作ろう」などの単元が増えそうです。新聞を読み比べたり、記事を読んで感想を述べ合ったりする機会も増加します。さらに発展して、テレビやインターネットを含めたメディア全般を知って「情報」について学ぶ授業も増えます。小学生にとっても新聞は「身近な先生」になりそうです。
           *            *            *
新聞界がすすめるNIE(Newspaper in Education=教育に新聞を)は新しい教育現場を手助けするツールになります。新聞社は新聞を教育に役立てるためのノウハウを持っています。教室に記者を派遣して新聞についてお話する用意もあります。この機会に、先生と記者がタイアップして、子どもたちのレベルアップに役立ちたいと思います。尾北地区の学校の教科書はどんなのになるのかは、まだ分かりません。教科書会社はたくさんあり、この中から、教育委員会や学校の先生方が集まってどこの出版社の本にするかを、これから決めます。でも、どの教科書になっても、基本は同じです。心配することなく、来年度の教科書に期待しましょう。
 
戻 る