〜25.01.12掲載〜 |
●弘法大師に導かれて 〈シリーズ第6回〉 豊浜〜内海の9カ寺
開創の発願から200余年の歴史がある「知多四国八十八カ所霊場」。小豆島(香川県)、篠栗(福岡県)とともに日本三大新四国霊場の1つに数えられています。札所は一番から八十八番までの八十八寺と、開山所三カ寺、番外七カ寺を合わせて九十八カ寺あり、宗派の違いを超え弘法大師(空海)への信仰という縁で結び合っています。シリーズ6回目の今回は、霊場巡り半ばの番外、浄土寺と第四十番影向寺から第四十七番持宝院までの合計九カ寺。位置的には知多半島最大の漁港のある豊浜から、かつて海運業で栄えた町、内海まで。第四十七番持宝院は、哲学者梅原猛さんが子どものころ、兵隊ごっこなどで遊んだ山寺です。知多半島は三方を海に囲まれ、ゆるやかな丘陵が広がる温暖な気候。庶民信仰の素朴な温もりを今なお大切にしている知多四国霊場へ出掛けませんか。 |
番 外 青泰山 浄土寺(じょうどじ)
知多郡南知多町豊浜小佐郷1 【宗派】曹洞宗 【本尊】薬師如来
行基の開創と伝えられかつては「東方寺」と称されていた。通称「お亀さん」として地元の人に親しまれている。明治42(1909)年、開山の亀岳鶴翁大和尚が、小佐の海岸に漂着したアカウミガメを龍亀大菩薩として祭ったのが由来である。境内を見下ろす高台には、打ち上げられた亀を実際の大きさで再現した亀の石像がある。 |
第四十番 普門山 影向寺(ようごうじ)
知多郡南知多町豊浜中之浦84 【宗派】曹洞宗 【本尊】十一面観世音菩薩
永禄年間(1558〜1570)の開創で、明治初年に浄心寺、影向寺、興福寺の3寺を統合して普門山影向寺と称するようになった。大師堂に祭られている子安大師像は観世音菩薩の神通力によって現れた霊像であり、大師像や経文が描かれた「御守腹帯」は霊験あらたかなものといわれている。 |
第四十一番 松原山 西方寺(さいほうじ)
知多郡南知多町山海屋敷51 【宗派】西山浄土宗 【本尊】阿弥陀如来
境内から山門を眺めると、その向こうには海が広がる。火災や台風により倒壊を繰り返してきたが、堂宇を復興して現在に至る。明治30年から近年まで、本堂や庫裡を開放して臨海学校が開かれていた。海の寺らしく境内には魚の供養碑が立つ。大師像は「またたき大師」と呼ばれ、昔から眼病平癒に霊験あらたかと伝えられている。 |