YouNet A letter from Singapore (280318掲載)

〜ライオンダンスがやってきた〜
 齊慶 辰也さん

間近で楽しんだライオンダンス(シンガポール日本人学校で)
シンガポールでは年に4回、正月の祝日があります。2016年は1月1日の西暦での正月、2月8日の旧暦でのお正月、7月6日のハリラヤ・プアサはイスラム教のお正月、10月29日のディーパバリはヒンドゥー教のお正月です。これはシンガポールが中華系、マレー系、インド系という各民族が信仰する宗教や文化を平等に大切にする国家の政策によるもので、この中で、一番大きな盛り上がりを感じるのが、全人口の75%以上を占める中華系の人達の正月、旧正月(チャイニーズ・ニュー・イヤー)です。特に中華系の人々が、正月の買い出しに集まるチャイナタウンは、正月用品が溢れ多くの人で混雑し、正月をお祝いする飾り付けで一層華やかになります。旧正月に欠かせないのがライオンダンス。

鉄柱の上で跳んだり跳ねたり
ライオンダンスとはその名のとおり、太鼓や鐘の騒々しいリズムに合わせてライオンが踊るもの。日本では獅子舞に相当する感じで、邪気を払い幸運を呼び込む力があると信じられています。旧正月の風物詩といったものですが、シンガポールにはライオンダンスを行う会社がいくつもあって、商店やレストランはもちろん、個人で呼ぶ家も多くあり年中活躍しているとのこと。

2人で息を合わせるパフォーマンス
私が住んでいるコンドミニアムでは旧正月に合わせてライオンダンスを呼び、200人以上の居住者や子どもたちが見守る中30分程の演技をしました。 シンガポール日本人学校でも、文化理解行事の1つとしてライオンダンスを間近で楽しみました。本校に来たライオンダンスは、特に派手な演出が加わり地面から2mほどの高さがある鉄柱上を、巨大な獅子が跳んだり跳ねたりするパフォーマンスを見せました。ライオンの前足と後足の部分には別々の人が入っており、タイミングを合わせて飛び回る姿に拍手喝采。ライオンの顔もよく出来ていて、眉毛や耳がピクピクと動きます。華麗な動きと豊かな表情で観客を魅了するライオンダンスも、シンガポールの文化の1つです。


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さて、3年間連載させていただいた本連載は、今回をもって一区切りです。また、紙面でお会いする日まで。ありがとうございました。


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