YouNet A letter from Singapore (270717掲載)

〜果物の王様ドリアン〜
 齊慶 辰也さん
美味しいブランド「猫山皇」
シンガポールの街角のホーカーと呼ばれる屋台や庶民の行くマーケットなどでは、日本で感じたことがない得体の知れない臭いが常時漂っています。ほとんどの場合が、果物の王様と呼ばれるドリアンからの個性的な臭いです。この臭いは強烈で、バスや電車など公共交通機関への持ち込みが禁じられているほどです。ラップやビニール袋で何重に包んでも、その独特な臭いがしみ出てきます。時々ですが、電車の中でも独特な臭いが漂い「誰かドリアン持っているな」と、その車両全員の人が感じるほどです。

山積みされたドリアン
先日、私は来星3年目にして、初めてこのドリアンを食べました。シンガポールでは「デュリエン」と発音し、6月から7月が旬で一番のおいしい時期です。全て輸入物で、どこでもいつでも手に入るドリアンですが、ゲイラン地区にある通称ドリアンストリートと呼ばれる所が一番有名です。今回はアラブ人街に近いブギス駅前の屋台で食べました。ドリアンにも様々な品種があるようですが、その中で最も美味しいブランドの一つ「猫山皇(マオシャンフワン)」を選びました。ドリアンの語源は「とげのあるもの」と聞いた通り、堅いとげの固まり。「上から落ちてきて頭に当たったら死ぬ」と聞いた通りの堅さです。大量のドリアンの中から美味しいものを店の人に選んでもらうことに。新鮮なものはあまり臭わないと聞いていたとおり、割ったばかりのドリアンからは強烈な臭みはなく、優しいドリアンの香りがする程度でした。黄色の果肉の部分(写真)を手で食べますが、濃厚なクリームチーズとカスタードクリームのような食感と味で、私はおいしくいただけました。その屋台でも果肉だけをパック詰めしたものを売っていましたが、そこからはドリアンの強烈な臭いを放っていましたので、やはり品種と新鮮さが大切なようです。値段も5S$から40S$ほどまで大きな差がありました。トロピカルフルーツでも、旬の時期に新鮮で良質な物を見つけることが、おいしく食べるこつだと実感しました。

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