YouNet A letter from Singapore (270515掲載)

〜マレーの結婚式披露宴〜
 齊慶 辰也さん

プチギフト
シンガポールは多民族国家ですが、どの民族も独自の伝統・文化や宗教などを大切にして生活しています。本校に勤務するマレー系ローカルスタッフのGさんは、魔法の手をもつと言われるほど、どの植物も上手に管理し育てる素晴らしいガーデナーです。彼は敬虔な回教徒であり、1日5回のお祈り、ラマダーン時の断食、豚肉やアルコールを口にしないなど戒律を守って生活をしています。先日、彼の息子さんの結婚式があり、その披露宴に家族で招待をされたので行ってきました。披露宴は午後1時から5時頃までで、400人から500人ほどの招待客が来ると言っていました。披露宴会場は、HDBと呼ばれる集合住宅の1階にあるオープンエアの広場が使われる場合が多く、大変暑いと聞きました。今回は貸し会場のパーティールームで、エアコンが効く快適な場所でした。新郎の父であるGさんは伝統的な服装、息子さん夫妻は西洋的な洋服とドレス。集まっている招待客は、基本的には民族や宗教色を感じる服装でした。

Gさん家族
事前に私たちは、上着なしの半袖でよいとGさんから言われていましたが、参加者のほとんどの方が宗教の関係からか肌を露出しない長袖。私も妻も半袖、娘に至ってはノースリーブで行ってしまったことにちょっと冷や汗でした。披露宴は特にセレモニーや余興があるわけでもなく、自由な時間に来て、ビュッフェ形式の軽食を頂きながら談笑をし、1時間程度で引き上げるといった感じでした。私たちがいた時間帯は、新郎新婦と招待客との記念撮影タイム。家族や親戚や仲間を大切にする気持ちが伝わってきました。ビュッフェに並ぶ料理は、マレー料理の数々。香辛料が強い物が多く、デザート系は大変甘いので、味覚の違いを感じました。アンパオと呼ばれるご祝儀は、家族で招待されても日本円で5000円ほどが相場とか。シンガポールの中華系の方の披露宴に比べてもリーズナブルです。会場を引き上げる時には、新郎父のGさんに感謝の言葉とプチギフトをいただき、見送っていただきました。格式張らない披露宴の中にも、民族や宗教を感じる貴重な体験となりました。

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