YouNet A letter from Singapore (260516掲載)

〜シンガポールの車事情〜
 齊慶 辰也さん
シンガポールの普通車の新車価格は、日本の約3倍から5倍と言われています。その理由は、シンガポールで自動車を所有するにはCOE(10年間用車両購入権)が必要だからです。4月現在の1600cc以下のAカテゴリーでもCOEが77400Sドル(約630万円)です。さらに、自動車保険や道路税がかかる上、レギュラーガソリンも約175円/Lします。だから、日本人学校の先生で自動車を所有している人はいません。過去に、どうしても自動車に乗りたい先生がいて、リース契約したそうですが、それでも1カ月当たり最低1500Sドル(約12万円)のリース代が必要だったそうです。
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シンガポールは国土が狭く、人口が集中しているため、渋滞が起きやすい環境です。それを踏まえて、政府が高額な税金を課して、車の量を減らす政策をとっているようです。また、市街中心部にはERP(料金自動徴収システム)により、出入りする度に一定料金がかかり、車の流入を減らす努力をしています。政府の努力はありますが、富裕層が多いシンガポールでは、やはり多くの人が車を所有し、仕事にレジャーに使っています。HDBという公団アパートにも、コンドミディアムと呼ばれる高層マンションにも駐車場が完備され、高級車が並んでいます。フェラーリやランボルギーニなどの超高級車も普通に置いてあります。一戸建てに住む家族では、複数の車を所有している場合も多く、路上駐車もよく見られます。その路上駐車の自動車が、ポルシェであったりBMWであったりします。また、私たちが乗るタクシーでさえも10台に1台程度はベンツという印象です。自動車事情は、裕福な国、シンガポールを象徴しています。



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