YouNet A letter from Singapore (271016掲載)

〜シンガポールの国会議員総選挙〜
 齊慶 辰也さん

 選挙ポスター
8月25日(火)、シンガポール日本人学校運営理事会から選挙の情報が飛び込んできました。「9月11日(金)は投票日によるパブリック・ホリディとなりました。投票日、授業をしますか?」。実はこの25日に、シンガポールの大統領が国会を解散し、総選挙を発表しました。わずか投票日の17日前、選挙による臨時休校が急遽決まりました。シンガポールの選挙は、国会議員の総選挙と大統領選挙との2つしかなく、総選挙には幾つかの特徴があります。総選挙は5〜6人のグループ(政党)で競う集団選挙区と、

集会の様子
 
1人が当選する小選挙区が混在します。集団選挙区は、得票が最も多かった政党が議席を総取りするものです。選挙運動は公示から9日間と短く、投票日は休日となります。投票は国民の義務です。もし、正当な理由なしに投票に行かなければ、次回からの選挙権及び被選挙権が抹消され、再登録時には罰金を払う必要があります。今回の投票率は93.5%で、与党PAPが得票率69.9%、全89議席中83議席を獲得しました。PAPは建国以来一貫して政権与党であり、総選挙は与党の政策の信任を問う性格とも言われています。

 選挙結果を報道する新聞
短い選挙運動期間ですが、政党の集会や選挙カーによる宣伝、選挙ポスターも貼り出されました。政党の集会には、狭いHDBの広場に千人以上が集まったり、ランチタイムの公園で数百人規模の演説会があったりしました。近くの中学校が投票所になり、近隣の住民が並んで入場をする様子も見られました。国によって政治体制が違い、選挙制度も違います。生徒達は長く日本に住んでいないので、日本の当然のことが分からない、知らないこともでてきます。日本人として学ぶべきことは、まず、例えば日本の政治や選挙の方法です。日本人学校が日本のカリキュラムで授業を実施する大きな理由を実感しました。

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