YouNet ようこそ社楽人!・・・(181122掲載)

−社会科から見えてくるもの− (その10)
社楽の会代表 土井謙次
 
〜「名字の分布は文化の流れ」〜
Net「日本で一番多い名字は何だと思う?」
You「佐藤かな、鈴木かな、田中かも?」
Net「佐藤、鈴木、高橋、田中、伊藤、渡辺、山本、中村、小林、加藤の順だよ。実はこれらの名字からも日本が見えてくるんだ。右の地図を見てごらん」

You「鈴木姓の都道府県別順位?」
Net「そう。各都道府県の中で、『鈴木姓』が何番目に多いかを示しているんだ。」
You「東日本に多いわね。西へ行くと少なくなる。」
Net「鈴木姓は熊野信仰とかかわりがあり、熊野神社の広がりと共に全国に広がったのさ。」
You「熊野神社はどこに多いの?」
Net「千葉、福島をはじめ、関東・東北に多いんだ。」
You「だから東日本に鈴木姓が多いのね。」
Net「東海では静岡や愛知が1位。江南市中奈良町にある熊野神社(写真右下)の周囲にも、鈴木姓の人がたくさん住んでみえるよ。」
Net「これは人の動きと関連があるかもしれないね。急に鈴木姓の順位が下がるのはどこからかな?」
You「滋賀県や北陸。あっ、関ヶ原?」
Net「よく気がついたね。”日清どん兵衛”のスープには関東風と関西風があるの知ってる?」
You「エッ、知らなかった。」
Net「スープの袋の色が違う(赤と青)から分かるよ。これも関ヶ原あたりで味が分かれるのだよ。」
You「鈴木姓の広がりと関係があるのかな?」
Net「名字の分布は人の動き。人の動きは文化の流れと言えるかもしれないね。」
You
「私たちが住む地域はどんな名字が多いの?」
Net「犬山市は奥村、伊藤、林、高木、小川。江南市が伊藤、尾関、鈴木、長谷川、岩田。大口町が近藤、鈴木、丹羽、江口、水野。扶桑町が千田、近藤、高木、沢木、伊藤の順だよ。これにもきっと何か理由があるはずだよ。」


Net「ところで、Youちゃんの家では茶碗や箸は誰のものか決まっている?」
You「決まっている。マグカップや弁当箱も!」
Net「これは日本だけの文化なんだ。来月はそのルーツを考えてみるよ。」
You「おもしろそう!」

戻 る