YouNet くすり博物館のちょこっと歳時記 (4)・・・(250720掲載)

 〜シソジュース〜
7月頃になるとスーパー等でシソが売られているのを見かけます。シソは梅干し、漬物、薬味などに利用され、日本人にとって大変馴染み深いものですが、原産は中国で、日本には大変古くに渡来しました。福井県の鳥浜貝塚の縄文時代の層からシソの種子が出土しています。また、日本最古の本草辞典である「本草和名」(928年)にはイヌエの名で記載されています。最初は食用というより、種子から絞った油を灯火用に利用していたようです。シソは赤ジソ系と青ジソ系に分けられ多くの栽培品種があります。漢方では葉を紫蘇葉(しそよう)、種子を紫蘇子(しそし)といい、発汗、解熱、鎮咳などの作用があり風邪の諸症状に用いられます。またシソの葉には魚肉中毒に対する解毒作用があり、刺身のつまとして添えられるのは理にかなっていたわけです。手軽にシソを利用する方法としては、シソジュースがあります。鮮やかなルビー色のジュースは見た目も涼しげで、体の熱をとり精神を安定させ、夏ばての予防にも良いのでこれからの季節にぴったりの飲み物。薬草園で作るシソジュースのレシピをご紹介します。材料は赤ジソ420g・青ジソ180g・水5g・砂糖500g・クエン酸50g。作り方は、次の通りです。
(1)シソの葉を水洗いします。
(2)鍋に5gの水と、赤ジソの葉を入れます。
(3)火にかけ80℃になったら弱火で10分ほど煮ます。
(4)青ジソを加えて5分ほど煮ます。
(5)鍋の煮汁をろ過し別の鍋に移します。
(6)砂糖500gを入れて2〜3分沸騰させます。
(7)火を消し、クエン酸50gを加えてよくかき混ぜます。
(8)後は冷ましてペットボトルなどの容器に移してできあがりです。
シソジュースの作り方は、決まったものではないので、好みに応じて赤ジソと青ジソの割合や砂糖の量などを変えると、違った味も楽しめます。新しい種子(一年以内)であれば発芽率も高く、栽培も簡単です。自家製シソジュースで安く・おいしく・元気に夏を過ごしてはいかがでしょうか。
                                (くすり博物館 亀谷芳明)


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