YouNet 知ってトクする福祉の知識(最終回)・・・(220320掲載)
だんのらしのあわせについて 一緒に考えてみませんか? 
尾北医師会 地域ケア協力センター
高藤真弓
みなさんは、「福祉」という言葉から、どのようなことをイメージされますか?お年寄りや、障がいのある方…。介護施設で働く人や建物を連想される方もいらっしゃるかもしれませんね。しばらく前までは、年をとって身体が自由に動かない、障がいがあって働けないなど、特定の生活課題を持つ方々を対象にして制度やサービスがつくられていたことから、「福祉=特別なもの」と考えられていました。最近では「福祉とは、ふだんのくらしのしあわせのこと」だと考える人が増えていて、特別なものではなく、みんなにとって大切なことだと言われることが多くなっています。高齢になって病気がちになり、身体が動かしづらくなってきたときに、どんな手助けがあれば、このまま住み慣れた地域でくらし続けられるでしょうか。充実した福祉サービスがあって、自宅にヘルパーさんが来て家事や介護を手助けしてくれると安心ですね。安心して子どもを育てることができるのは、どのようなまちだと思いますか?広い公園が自宅のすぐ近くにあることや、子どもが病気をしても医療費の心配をすることなく病院にかかることができれば、うれしいですよね。
               *           *           *  
このように、国や自治体が中心となって安心をつくりだすための取り組みに加えて、ご近所同士「こんにちは」と声を掛けあうことや、ゆっくりと道路を歩くお年寄りをそっと待つやさしさ、学校帰りの子どもたちが、公園で元気に遊ぶ姿を見守ることで、地域のなかに「安心感」が広がっていくのではないかと思います。わたしたち一人ひとりが、「ふだんのくらしのしあわせ」について、そして何かひとつでも自分にできることは何だろう?って考えてみることが、みんなにとって大切な福祉の始まりなのかもしれません。1年間、くらしの中で、「知っておくとちょっとおトクな社会福祉の知識」についてご紹介したこのシリーズも、今回で最終回を迎えることになりました。何かひとつでも、今すぐにではなくても、いつかお役に立つことがあればうれしいです。ご覧いただいた読者のみなさまに、心よりお礼申し上げます。
 
戻 る