YouNet 知ってトクする福祉の知識(11)・・・(220220掲載)
職業訓練と生活費の支給を受けながら再就職への道を 
尾北医師会 地域ケア協力センター
高藤真弓
春恵さん「うちの夫、この不景気で求人が少ないから困ったわ。失業給付をもらえるのもあと少しだから、早く次の仕事が見つからないかしら。」
美雪さん「うちはシングルマザーだから景気に左右されない安定した仕事に就きたいわ。医療とか福祉の仕事は、やりがいもあるし求人も多いと思うけど、今から看護師や介護福祉士の資格を取るには、時間もお金もかかるからムリね。」
春恵さん「前にニュースで、失業対策が手厚くなったって聞いたけど、どんな対策なんだろうね?ハローワークに電話して聞いてみようか。」
春恵さん「失業対策が手厚くなったと聞いたのですが、どう変わったのですか?」
ハローワーク職員「緊急人材育成支援事業という昨年7月から始まった制度のことですね。雇用保険が受けられない方や給付期間が終了した方に、3カ月〜1年間、医療や介護、IT技術など専門的な職業訓練を受けている期間の生活費を支給することができるようになりました。」
春恵さん「じゃあうちの夫はもうすぐ給付期間が終わってしまうから、その後で受給することができますか?」
職員「受給には、ご本人が生計中心者であることや年収、資産など条件があります。一度ご相談にいらしてください。」
美雪さん「うちは母子家庭だから、できれば専門的な資格を取りたいと思うけど、支給期間は1年間と決まっているのですか?」
職員「母子家庭の方を対象にした制度は、別の制度で高等職業訓練促進給付金という、2年以上の養成校に通われる方対象に給付金を支給するものがあります。看護師や介護福祉士など国家資格を取得するための養成校が対象で、相談は市町村で受け付けていますよ。」
春恵さん「さっそくハローワークに相談に行ってもらうことにするわ。」
美雪さん「わたしも市役所に聞きに行ってみようかな。子育てをしてみて、誰かの力になれる仕事っていいなあって思うようになったんだ。」
               *         *         *
このように、専門的な技術を取得して再就職を目指す方に、職業訓練期間中の生活費の保証などが行われるようになりました。詳しくは、緊急人材育成支援事業についてはハローワークに、母子家庭自立支援給付金制度については市町の窓口にお問い合わせください。


◆ 緊急人材育成支援事業
ITスキル、医療や介護・福祉、電気設備などの無料の職業訓練(3カ月〜1年間) と、その間の生活費(10〜12万円/月)の支給が受けられます。(問)ハローワーク犬山0568(61)2185
◆ 高等職業訓練促進給付金
母子家庭自立支援給付金の1つで、看護師・介護福祉士・保育士・理学療法士・作業療法士の養成機関で修業する方に、修業中の全期間、給付金(月額70,500円〜141,000円)が支給されます。
 
戻 る