平成21年1月10日掲載


今回は江南市の寶藏院、般若寺、犬山の大泉寺、福昌寺、養善寺の5カ寺を紹介します。順不同。   

〔取材協力〕(株)松屋佛壇店

補陀落山 大泉寺(ほだらくさん だいせんじ) 臨済宗妙心寺派 本尊 聖観世音菩薩 
犬山市栗栖768 0568(61)1483 
当寺の開山は、相州(神奈川県)小田原の大雄山最乗寺四世無極恵徹大和尚。足利将軍義満公の御帰依厚く応永8(1401)年、この地に境内4町8反歩に7堂伽藍を創建。寺領20町歩、御朱印を賜り、人皇百代、後小松院の勅願所であったが、月江・分明の3代で絶法した。嘉吉元(1441)年、農州猿喰の城(勝山城)主田原左ヱ門尉。天文11(1542)年、臨済宗妙心寺派東陽英朝四世・先照大和尚を招請して当山の中興開山として以後兵火により焼失するも、川尻肥前守が織田信長公の命により再建。その後今井村に百石の地を受け明治24年、大地震で倒壊したが泰明和尚により再建され現在の寺観に至る。

●鶴棲山 福昌寺(かくせいざん ふくしょうじ) 臨済宗妙心寺派 本尊 釈迦牟尼佛
犬山市前原小脇町47 0568(61)0603 
永正5(1508)年、独秀乾才(敕諡法智普光禅師)により入鹿(現在の入鹿池)に開創された。入鹿池築造に伴い、寛永11(1634)年に前原に移転し現在に至る。境内の薬師堂には、聖徳太子御作と伝えられる時取薬師如来を祀る。平成15年より壇信徒各位の絶大なる協力により庫裏・薬師堂・車庫・塀の新築ならびに境内大整備工事が完了し、同20年5月18日、開創500年祭を行う。境内には長命・家運隆昌祈願の長五郎大黒様も祀られている。1月15日祈祷大般若、3月彼岸説教・弘法様、7月12日薬師供養祭、8月17日盆施餓鬼・18日入鹿地区同、8月25日盂蘭盆百万遍(前原)、9月お彼岸中日・彼岸施餓鬼。

●久保山 養善寺(くぼざん ようぜんじ) 臨済宗妙心寺派 本尊 如意輪観世音菩薩
犬山市前田面7 0568(67)0951
当寺は、約450年前に龍岳宗透和尚を開山に迎え、現在地より約250b北西にあり養善庵と称していた。遺構はないが、「小牧・長久手の戦い」(天正12年)の際、秀吉軍が布陣した砦とされたと伝わる。中興天安與公和尚の時代に、犬山城主成瀬隼人正乾龍院殿公の思し召しを得て、現在の地に移り寛文末期、先師の意思を継いで一峯宜栄和尚が境内を整備。以来、幾度もの修繕が繰り返され昭和10年、仙方和尚の代に現在の本堂を建立。同40年、泰春和尚の代に山門改築、同43年に庫裏改築、同50年に開山堂・位牌堂を新築。平成3年には山門両側の塀を改築した。

●金剛山 寶藏院(こんごうざん ほうぞういん) 真言宗醍醐派 本尊 不動明王
江南市布袋下山町南175 0587(55)5825
江戸末期に建立。明治31年、伊予の国の僧守屋大暢師が巡歴で当地を訪れ、小折三千石主生駒因幡の守末葉・生駒周行の宅にて仏法を説くと善男善女法徳に感化して発願、一堂宇を建立。その後、真言宗醍醐派三寶院末寶藏院の堂を移築し、平成17年4月新建奉上、同18年11月に落慶法要を執り行う。弘法大師をたくさんお祭りしてあるため通称、弘法堂と言われる。尾張弘法21番札所、尾張三弘法1番札所。2月3日節分会、2月4日立春祈、4月21日御祥当、8月28日施餓鬼法会、12月21日冬至弘法。尾張七福神(岩倉地区3カ寺・布袋同4カ寺)。布袋尊は寶藏院にお祭り。大正末期より奈良信貴山から毘沙門天を預かり交流を図っている。

●村上山 般若寺(そんじょうざん はんにゃじ) 曹洞宗 本尊 千手観世音菩薩
江南市小折町八反畑47 0587(55)2508
718年前の鎌倉時代に真言宗の道場として創建され以後、幾多の変遷を経て曹洞宗となった。永禄年間に小折村豪族生駒氏により再建され265年前、久昌寺八世絶大頂大和尚を中興開山として寺門の興隆を見た。本尊は聖徳太子作と伝えられる大きな千手観音菩薩座像で古色蒼然、江南市の文化財に指定されている。境内西側にある薬師堂は1473年に創建。本尊は、96歳の長寿を全うした五代・生駒利豊が古里の鬼取薬師像を模して刻んだもので諸病平癒、長寿、受験当日の体調維持に霊験があるとされる。また、布袋小学校の前身・啓明学校であり、第2次大戦中は名古屋市八熊小学校の疎開先でもあった。

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