YouNet A letter from Singapore (270821掲載)

〜SG50〜
 齊慶 辰也さん
1965年、マレーシア連邦首相のラーマン氏とシンガポール人民行動党のリー・クアンユー(李光耀)氏は、両者の融和がどうしてもできないと判断し、8月9日、マレーシア連邦から半ば追放される形で分離し、都市国家・シンガポール共和国は誕生しました。国民に独立したことを伝えるテレビ演説で、リー氏は涙を流し言葉を詰まらせました。それからちょうど50年。赤地に白抜きの文字でSG50と書かれたロゴマークが至る所に飾られ、独立50周年を盛大にお祝いするシンガポール。
国旗を掲げて独立50周年を祝う 
東南アジアの宝石、奇跡の島とまで言われるこの国の発展を、どれだけの人が予測したでしょうか。50回目の独立記念日は祝日を1日増やし、土日を含め8月7日から10日までの4連休(Jubilee Weekend)に拡大してのお祝い。独立記念日当日の8月9日は、公共交通機関が無料です。この期間だけでも全島の21カ所で大がかりなイベントがありました。メーンのイベントは何と言ってもナショナルパレードです。

50の数字を描いて祝福
今年の会場はマリーナベイフロートからザ・パンダンに変更したため、より多くの人が直接観覧できるようになりました。もちろんパブリックビューやテレビによる中継もあります。国の威信をかけた軍事パレードもありますが、映像と音の多彩な表現でシンガポールの今が楽しめます。マリーナエリアの海上では、空砲による集中砲火があったり、ヘリコプターがシンガポールフラッグを運んだり、ジェット戦闘機の編隊飛行があったり。花火は、マリーナベイ湾内とマリーナ貯水池の2カ所で打ち上げられ、高層ビルの夜景と迫力のある美しい花火とが競演しました。今年7月にシンガポール初のユネスコ世界遺産に登録されたボタニック・ガーデン(シンガポール植物園)はSG50のコンサート会場として使われ、多くの人が集まりました。街中にはSG50をあしらったTシャツを着た人が行き交います。独立50周年を国民みんなで祝う雰囲気の良さに、シンガポール人が自国を誇りに思う気持ちの強さを感じました。

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