YouNet 21世紀の賢い健康体力づくり講座 (9)・・・(221218掲載)

〜首、肩、腕の不調が起こりにくい身体に!
                肩甲骨うごかし習慣〜
フィットネス総合研究所
土屋 真人
http://www.fgi-jp.jp/
健康体力が衰えてくると「骨盤の後傾姿勢」→「腰丸まり姿勢」→「背中丸まり姿勢」→「猫背姿勢」…となりやすくなります。

写真1
この「猫背」姿勢の中身を今回は少し詳しくみてみましょう。ヒトの腕の付け根には、肩甲骨という三角形のような平らな骨が左右にあり、背中の上のほうに位置しています。【写真1参照】この肩甲骨は、本来、上がったり、下がったり、脊柱(背骨)に近づいたり、遠ざかったり、肋骨の上をすべるように動きます。この肩甲骨は、骨盤が後傾すると、脊柱(背骨)から遠ざかり、前に出やすくなります。

写真2
【写真2参照】 肩甲骨の位置が本来より前に出すぎている状態(脊骨から離れすぎている状態)、これが「猫背」姿勢の中身です。さらに、肩甲骨を動かさなくなると、肩甲骨についている筋はどんどん硬くなってゆきます。肩甲骨につく筋の中には、首(頚椎部)につながっている筋もあるので、その影響は首にも及びます。本来、首(頚椎部)は、頚椎という7個の積み木のような骨が横からみると前にカーブを描くように(前弯して)積まれているのですが、やがてこの前弯がなくなり、真っすぐに近い状態(ストレートネックなどと呼ばれる)になってしまう場合があります。頚椎の際からは、首、肩、腕の筋や皮膚へいく神経が出ています。頚椎の配列が本来と違ったものになってくると、首、肩、腕の不調が起こりやすくなるのです。今、首、肩、腕に不調を抱えている方は、肩甲骨の動きが悪くなっている(肩甲骨についている筋が硬くなっている)という共通の特徴があります。そこで、今回ぜひ、日常生活に取り入れていただきたいのが、「肩甲骨うごかし習慣」なのです。(1)床に横向きに寝ます。頭に枕を当てるなどして、首に力が入らないようにします。できるだけ背骨は動かさないようにして、(2)上側の肩甲骨を上げる(肩をすくめる)、下げる、を繰り返します。(3)次に背骨に近づける(胸を張る感じです)、背骨から遠ざける(猫背になる感じです)を繰り返します。(4)最後に後から前へ、前から後へ肩先で大きく円を描くように動かします。まずは、呼吸を止めないように、それぞれの運動を10回ぐらいから始めてみてください。立って行うと、立位姿勢を保持するために、肩甲骨につく筋以外にも力が入るので、うまく肩甲骨だけを動かすことができないかもしれません。まずは、横向きで寝て行うことをおススメします。肩甲骨を動かす習慣を日常生活に取り入れると、肩甲骨につく筋を柔軟に保つことになり、首、肩、腕の不調が起こりにくくなります。柔軟な肩甲骨回りを維持できますように…。ぜひ、お試しください。
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