YouNet 21世紀の賢い健康体力づくり講座 (8)・・・(221120掲載)

たくさん酸素をとりいれ、おなかもスッキリ!
腹式呼吸習慣
フィットネス総合研究所
土屋 真人
http://www.fgi-jp.jp/
健康体力が衰えてくると「骨盤の後傾姿勢」→「腰丸まり姿勢」→「背中丸まり姿勢」→「猫背姿勢」…となりやすくなります。この「猫背」姿勢が習慣化すると、いつのまにか胸(胸郭)が閉じたまま硬くなってしまい、胸をふくらませることができないため、身体に取り入れる酸素の量も少なくなってしまいます。そこで、何歳になってもしなやかで、やわらかい胸(胸郭)を保ち、大きく胸を広げてたくさん酸素を取り込める身体を維持するために前回は、「肋骨ほぐし・胸膨くらませ呼吸習慣」をご紹介しました。主に胸を膨くらませて、呼吸することを「胸式呼吸」といいます。この「胸式呼吸」は主に胸(胸郭)を膨くらませたり、閉じたりする「内・外肋間筋」がたくさん働きます。もうひとつ酸素を身体にたくさん取り入れるために大切な働きをしているのが「横隔膜」です。(「膜」というと薄い感じがしますが、しっかりした筋だと思ってください)。この「横隔膜」は胸とお腹の境にあります。「横隔膜」が下がると胸のスペースが広くなり、肺に空気がたくさん入り、「横隔膜」が上がると胸のスペースが狭くなり、空気が肺から出ていくメカニズムです。この「横隔膜」をたくさん使う呼吸のことを「腹式呼吸」といいます。

【写真1】

【写真2】
「腹式呼吸」は、お腹をたくさん動かすので、お腹にある大きな血管を刺激し、血の巡りを良くしたり、内臓を刺激して、消化や排泄活動を助けたりします。また、上手に行うと自律神経の副交感神経を刺激して、身体をリラックスさせることができます。習慣にすると、お腹が締まり、内臓脂肪もつきにくくなります。そこで、今回ぜひ、日常生活に取り入れていただきたいのが、「腹式呼吸習慣」なのです。(1)イスに座り、肩の力を抜き、リラックスします。【写真1参照】(2)軽く息を吸い、フーッと軽くでよいので、息をできるだけ長く吐き出していきます。その時に、心の中でゆっくり数を数えながら、下腹をへこませていきます。(3)さらにお腹に力を入れ、息を吐ききります。(その時の数を覚えておきます。(例)8まで数えて吐ききったとします。【写真2参照】(4)次にお腹の力を抜いて鼻から息を吸います。お腹が膨くらんできます。息を吐ききった時の半分の数で息を吸います。(例)8まで数えて吐ききったとしたら、1から4まで数えながら吸います。(5)息をいっぱい吸ったら、1、2、3(この間はやりやすいように調整していただいてOKです)と数えます。また、(2)から繰り返します。この「腹式呼吸」を一日5回から行ってみてください。ポイントは、胸が開いたり閉じたり、肩が上がったり下がったりしないよう、下腹だけを動かして呼吸すること。上体もできるだけまっすぐ立てたまま。吐く息は、吸う息の倍の時間をつかって、ゆっくり長く吐きます。慣れてきたら、吐く息を長くしていきます。「長息」は「長生き」につながると言われています。いくつになっても酸素をたくさん取り入れ、スッキリしたお腹を維持できますように…。ぜひ、お試しください。
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