YouNet 21世紀の賢い健康体力づくり講座 (2)・・・(220515掲載)

健康体力を維持するために 
フィットネス総合研究所
土屋 真人
自分の行きたいところへ自分で行くことができ、自分のやりたいことを十分に楽しむことができる健康体力(脚筋力など)を何歳になっても維持したいものです。

(図1 標準的な立位姿勢)
そのための「おすすめ習慣」を今月号よりお伝えしていきます。誰でも、無理なく、日常生活の中で行うことができるものばかりです。習慣にすると皆さんの健康増進に必ず役立つはずです。ぜひご活用ください。健康体力(脚筋力など)が衰えた人の特徴のひとつが「骨盤の後傾」姿勢です。図1が標準の立位姿勢です。横から見て骨盤は、やや前傾しています。

(図2 骨盤後傾・立位姿勢)
健康体力が衰えてくると図2のように、骨盤が後に傾いてくる人が多くなります。骨盤が後傾した人がいすに座ると、図3のようになります。休む時は、この姿勢でもよいのですが、いつもこの姿勢ばかりになると、腸腰筋など胴体の深いところにある体幹部深層筋と呼ばれる筋などが一層、衰えやすくなることが分かっています。これらの筋は、内臓のすぐ近くにあり、呼吸や姿勢保持、脚筋力維持に関係する大切な筋で、衰えると健康体力の低下に拍車が掛かるのです。そこで、おすすめなのがいすに座った時に行う「脚の付け根で手はさみ習慣」です。

(図3 骨盤後傾で座ったところ)
これを習慣にすると、「骨盤の後傾」姿勢になることを防ぎ、体幹部深層筋にもよい刺激を入れ、活性化することができます。やり方は簡単です。いすに座って脚を肩幅くらいに開きます。次に脚の付け根(股)に手の小指側を当てます。あとは、背すじを伸ばし、そのまま上体を前に倒すようにして、骨盤を前傾します。うまくできるとこの時、骨盤と太ももで手を挟むことができます。(骨盤後傾姿勢だと手を挟むことはできませんね)。

(図4 「脚の付け根で手はさみ習慣」)
手をはさんだのを確認したら、そのまま心の中でゆっくり15数えてください。(初めは、朝、昼、晩1回ずつでOKです)。高齢者健康教室で紹介し、参加者皆さんの後ろ姿がその場で20歳若返ったと喜んでもらった体操がこれです。最近は、子どもたちやスポーツ選手にまで「骨盤後傾」姿勢が広がっています。年齢を問わず、健康増進にお役立てください。
戻 る