YouNet 21世紀の賢い健康体力づくり講座 (1)・・・(220417掲載)

あなたの脚筋力は大丈夫? 
フィットネス総合研究所
土屋 真人
子どもの体力低下、姿勢の崩れ、生活習慣病のまん延、国民医療費の増大、高齢者の介護・健康問題……。何歳になっても健康で活動的な毎日を過ごすための最低限の健康体力を身につけ、維持していくことがとても大切な時代となりました。例えば、何歳になっても健康で活動的な毎日を過ごすために、必要な体力として「脚筋力」があります。階段を上がる時(片脚で自分の身体を持ち上げる動作)やつまずいた時に、転ばないように片脚で踏ん張ることなどを考えると、何歳になっても、片脚で自分の体重を十分に支えることができる「脚の力」が必要であると分かります。片脚で膝を伸ばす力(膝伸展力)を、体重で割り算した値を体重支持指数(WBI:weight-bearing index)と言い、体重50sの人の、右脚の膝伸展力が25sだったとすると、25s(膝伸展力)÷50kg(体重)で右脚の体重支持指数は、0.5(50%)となります。今までの研究から、支障なく日常生活を送るためには、60%以上が必要とされています。【体重60kgの人では、膝を伸ばす力(片脚)が36kg以上ということです】。また35%未満になると「転倒する危険性が大きくなっている」ことが分かっています。【体重60kgの人でいうと、膝を伸ばす力(片脚)が21kg未満ということです】。
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ところで、気になるデータがあります。昨年の11月に江南市民健康フェスティバルで「脚筋力(右脚)」を測定した220人(男性:76人、女性:144人)の結果(資料1)です。支障なく日常生活を送るために必要とされているレベルを超えている方は、全体の15.5%、超えていない方が、84.5%。そのうちの半数近く、41.1%が転倒の危険性が高くなっているとされるレベルでした。現代人の「脚の衰え」は思った以上に進んでいるのかもしれません。ご承知の通り、これからより一層日本は、少子超高齢化社会になっていきます。高齢者(65歳以上)の人口に占める割合は年々増加し、2000年に6人に1人であった高齢者は、現在ほぼ5人に1人、2015年には4人に1人、2050年には、3人に1人になると予想されています。自分にとって最低限必要な健康体力のレベルを知り、それを身につけ、維持するためにはどうすればよいかを教養として学び、日常生活で短い時間で効率よく、効果的に実践していく…、そんなことが必要な時代になっている気がします。キーワードは「習慣」です。
「はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる」(ジョン・ドライデン:イギリス詩人)。ぜひ、自分にとって必要な健康体力を養い、維持する習慣をつくってしまってください。これからそのためのヒントをお伝えしていきたいと思います。
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