YouNet バヌアツへの誘い(最終回)・・・(260321掲載)
バヌアツへの誘い
 青山 翔さん
バヌアツの新学期は2月から始まります。そんな慌ただしい合間をぬって、MALTAM(マラクラ算数教師会)の本年度第1回のミーティングが行われ、年間スケジュールを決めていきました。日程を決めていく中、私がもうすぐ帰国するので、その前に研究授業を見たいと言っていただきました。その時、「日本に帰るのだ」という思いで、何とも感傷的になってしまいました。

送別会で
研究授業の当日は、近隣の先生方50人ほどに授業を見ていただき意見交換。その後、送別会を開いていただきました。豚の丸焼き、伝統料理ラプラプなどいろいろなご馳走を用意していただき、いつでも戻ってきていいよという意味を込めて、木彫りの伝統的なカヌーの模型をプレゼントしてくださいました。ご馳走を食べながら、先生方や子どもたちと思い出話をしていると、本当にいろんなことがあったことを思い出しました。言葉が分からず、子どもたちや先生たちとうまく話が出来ない時、「I stret no mo=大丈夫だよ」と優しく接してくれたこと。サッカーや海水浴をして遊ぼうと、毎日のように誘ってくれた村の人たち。雨が降らず、2週間ほど水が使えなかった時、みんなでテルテル坊主を作って逆さに吊るすと、すぐに大雨が降って大はしゃぎしたこと。ここでの経験全てが自分の糧になりました。最後にみんなの前でスピーチを求められたとき、いろんな思いが込み上げてきて、言葉が出ず、泣きながら「ありがとうございました」とだけしか言えませんでした。首都ポートビラへ行くお別れの日、子どもたちをはじめ、先生方、村でお世話になった100人以上の人たちが、ノルスップ空港まで見送りに来てくださいました。ボランティアとして、自分の知識や経験を伝えることに固執していた自分を、「一方的な支援ではなく、共に歩んでいく仲間である」という意識に変えてくださったマラクラ島の皆さん。家族だけでなく、周りの人と支えあって生きていく温かさを感じさせてくださったマラクラ島の皆さん。「yu mi semak=みんな同じ」と外国人である私をいつも気にかけ、優しく接してくださったマラクラ島の皆さん。2年間本当にありがとうございました。どんなに離れていても、「yu mi famili =みんな家族」。日本に帰っても、みんなのこと決して忘れません。そして、バヌアツへ温かく送り出していただいた、日本にいる家族、友人、大口南小学校の子どもたち、先生方、本投稿の読者の皆様、編集部の皆様に心より感謝申し上げます。まもなく日本へ帰国致します。

  ビシュラマ語にチャレンジ!
Mi no fogetem yufala forever=みんなのことずっと忘れません


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