ゆ・ねっと(YouNet)紙掲載分
このコーナーはYou Net紙で紹介した記事の一部を掲載しております
各市町の消防団・・・(190822掲載)

使命感と地域貢献の思いで…  
「入団するまでは、ほとんど団の活動を知らなかった」。取材した団員のほとんどがそう話す消防団活動だが、今ではどの団員も使命感を持って活動、情熱を感じさえする。地域で起きた火災や台風などの水害に対応する消防団員の日ごろの活動と、その思いを紹介。
「夜中に『サイレンが聞こえる』って言うんです。わたしには聞こえないのに」と江南市消防団(伊藤英保団長)団員、田畑元さん(49)の出動を支える妻の純子さん。「何時に帰るか分からないこともあり、顔を見るまで心配」と、団員歴28年の元さんを見守っている。元さんは、区長に頼まれるまま21歳で入団。「大会の補欠員として訓練に参加するうちに団の活動が少しずつ分かり、それが今の使命感につながっている」と、昼夜問わずの出動に対応、無線を腰に付けて仕事に就く。


←田畑元さん、純子さん夫妻

「団経験者や活動を知る人が、各家庭にいてもらうことが大切」と口をそろえるのは、扶桑町消防団(田中良一団長)の村瀬誠司さん(44)、大西健司さん(37)、兼松良次さん(48)。「阪神淡路大震災で被災した淡路では、住民同士が日ごろからコミュニケーションを取り、誰がどの部屋で寝ているのかをつかんでいたことから救助活動がスムーズに運んだけれど、この地域で大地震が起きたら淡路のようにはいかない」と、個人情報保護法等で家族構成などもつかめていない現状を憂う3人。大地震が起きれば団員も被災する。団として連携を取るのが難しくなり「団員1人が100世帯を見ることになる」と村瀬さん。日ごろからの住民同士のコミュニケーションの大切さを痛感し、団の活動を知ってもらうことで協力が得られ、万が一に備えることができるのではと、「火災警報器の取り付け状況の聞き取りなどをしながら、お互いの情報交換ができたら」とも考えている。
右から村瀬さん、大西さん、兼松さん

●犬山市消防団 操法大会3位 現場で生きる 細部にわたる訓練
犬山市羽黒地区約6千世帯の安全を守る、犬山市消防団第4分団(保浦隆分団長)。同団は7月に開かれた「第52回愛知県消防操法大会」消防ポンプ車の部に出場し、団として20年ぶりとなる第3位・優良賞を受賞した。

第52回愛知県消防操法大会消防ポンプ車操法の部で3位に入賞した犬山市消防団(7月16日)
出場したのは指揮者の丹羽博之さん、1番員の栗田靖人さん、2番員の加藤慎司さん、3番員の安達芳郎さん、4番員の森川雄功さん、補助者の水野正人さん、平均年齢34.6歳の6人。毎年開かれる県大会には5つの分団が持ち回りで出場。競技時間は全体で5〜6分、うちタイムを競うのは2分弱で、あとは「規律と節度」「統一」を第一に、技術の正確さやすべての動作をきれいに見せることに全神経を集中させると言う。

●大口町消防団 他団体との連携を大切に 
全国的に団員の年齢が高くなっている中、平均年齢28.7歳という若さの大口町消防団(大森智団長)。「自分たちのまち大口を自分の手で守る」の信念を先輩団員から受け継ぎ活動。「QC(クオリティ・コントロール)」「渉外」「訓練」の3つの委員会に分かれ、団の活動をより充実させようと創意工夫も凝らしている。
団全般の管理や運営、改善などを目的とする「QC」は、緊急時に団員に携帯メールを配信するなど連絡体制の整備や、団新聞の発行、Tシャツやアポロキャップ、団作業着、団員証の作成、団員同士の交流など、輪を大切にし士気を高める活動。「渉外」は、各地域で活動する防災ボランティアグループなどと連携を取って活動する年末夜警や、消防防災フェスティバルを企画。共催で町内のイベントに参画するなど、各種団体との交流や連絡調整をして活動の幅を広げている。訓練全般を検討する「訓練」は、消防署と連携を取って訓練計画を練り、町民体育祭や観閲式で披露。各委員会は災害時の支援活動や日ごろの火災予防啓発活動にとどまらず、団の活性化を目指して活動。署やボランティア団体、民生委員などとのネットワークを大切にしているのが印象的だ。


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