ゆ・ねっと(YouNet)紙掲載分
このコーナーはYou Net紙で紹介した記事の一部を掲載しております

在住外国人支援〜わたしたちにできることは〜 特集・・・。(180524掲載)

−江南市国際交流協会−
●困りごと相談開始!!
江南市国際交流協会(栗本務会長)の活動拠点として昨年10月にオープンした「ふくらの家」(古知野町)。地域に住む外国人と触れ合い、子どもたちと地域の人たちとの交流の場として、外国語教室や外国の料理教室を開くなど、みんなが集う「ふくらの家」では、言葉や文化の違いに悩む外国人を支援する相談活動や、子どもたちの学習を支援する活動が始まっている。
学習支援活動「ふくらこども塾」の様子 「あの事件は防げたと思う」と、会員らが口をそろえるのは、2月に滋賀県長浜市で起きた幼児殺害事件のこと。「愚痴を聞いてくれる人が周りにいれば、それだけでも随分違ったはず」「内容によってはすぐに解決できないこともあるけれど、人に話すことで精神的に落ち着き糸口も見つかると思う」と、スペイン語、ポルトガル語、中国語で対応する、外国人のための困りごと相談活動を3月に開始。早速、英語、スペイン語、ポルトガル語、中国語で活動を知らせるチラシを作成し、市内保育園を通して配布もした。相談に当たるのは、市内に住む外国人ボランティア。その1人で、スペイン語での相談活動をするペルー出身の池田恵利香さんは「言葉の悩みが一番大きいし、相談すると迷惑かなと思ってしまい、自分の心の中にとどめてしまうことがわたしにもあった」と、思い当たる経験があると話す。ブラジル出身の在住者が多いことからポルトガル語の相談が多く、「子どもの小学校入学を前に、準備について詳しく教えてほしい」など、文化や習慣の違いに戸惑う母親からの相談もある。
この相談活動が、国内で発行されているインターナショナルプレス紙スペイン語版に紹介されたこともあり、大府市からも電話がかかったほど。在住外国人のサポート体制づくりが、急務となっている。

−犬山国際交流協会−
●県外からも通う日本語教室
約1600人の外国人が在住する犬山市では、犬山国際交流協会(野田修会長)が中心となり、外国人向けの日本語教室開催やニュースレターの作成など10年ほど前から支援活動を開始。日本語教室には毎回、50人以上の外国人が通っている。
日曜日の午前10時、犬山国際観光センター3階に集まる外国人。犬山日本語教室(祖父江鈴子代表)は充実した教室として広く知られ、市外・県外から通って来る外国人も多い。レベルにより5つのクラスに分かれ、ボランティア講師25人が対応。テキストやカードなどを使って日本語の習得を支えている。独自の20級からなる漢字テストを実施し、日本語検定への挑戦も積極的に進めている同教室。いつでも新規受講者を受け入れ、毎月400円(会場使用料)で受講できるのも、外国人にとって大きな支援となっている。一方、楽しくなければ長続きしないという現実もあり「フロイデまつりに参加したり、交流会を開いたりと工夫もしています」と話す祖父江代表。授業の一貫性を大切にし、講師同士の情報交換や研修も大切にする。 多いときは80人が集まる日本語教室。(毎日曜10:00〜11:30)
●話すだけでなく書くことも
ボランティア講師2年目の坂下知栄子さんは、「担当日以外にも時間を見つけて教室に出掛け、生徒とコミュニケーションを図るようにしています」と意思の疎通を大切にし、10年以上活動する後藤好美さんは「休憩時間の生徒同士の共通語は日本語。そのやりとりから、普段の生活の一端がうかがえる」と、生徒たちの成長を垣間見る楽しさもあると言う。インドネシア人生徒のエディさんは「体の具合が悪いことを、職場の班長に伝えられるようになった」。台湾から犬山に来て25年になる西田信子さんも「話せても書くことができなかったけれど、今は漢字検定にも挑戦しています」と、日本語の上達を喜ぶ。生活に直結した支援として、なくてはならない存在となっている日本語教室。多くのボランティアが、外国人の日常を支えている。


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