小学校入学前の子どもたちに大切なことは?そして、親として子どもにどのように働き掛けるのが良いのでしょうか。
小学校入学前の子どもに大切な育ちは3つあって、1つは「事実性」。生まれて2〜5年ほどしか生活経験のない子どもたちは、自分の周りの物がよく分かっていない。砂場遊びで使う砂は、天気がいい時には白くてサラサラ、そうかと思うと黒っぽくて固まりやすいときもあれば、雨の後は水っぽくて手に付く…など、砂の状態が違いますね。砂というものはいろいろな姿をみせるけど全て同じ砂なんだというように周囲の事物の特徴に、五感を通した直接体験で気付いていきます。そういうことを親が経験させてあげることで、子どもの把握する世界が広がります。2つ目は「必要性」。ご飯を食べるときなぜ手づかみではなくはしを使うのか、はしの持ち方や行儀に気を付けるのか。はしは、熱いものでも食べやすく便利。持ち方や行儀は一緒に食べている人が、気持ちよく食べるために…と、子どもがいろいろな行動を身に付けていく時になぜそうするのかという理由を理解していくことは大切なこと。3つ目は「審美性」。花や青空など美しいものを美しいと感じ、綺麗なものを綺麗だと思う気持ちで心が豊かになります。お母さんたちが普段子どもに何気なくかかわっていることは、この3つのどれかを育てることにつながっています。ですから、お母さんたちは、子どもたちに「よくできたね」と声を掛けたりしますが、その声かけが子どもの何を育てることになるのかを考えるといいと思います。 |