ゆ・ねっと(YouNet)紙掲載分 このコーナーはYou Net紙で紹介した記事の一部を掲載しております |
エコアップリーダー「森林を身近な存在に」・・・(150924掲載) |
今から70年ほど前にヒノキが植林されたという犬山市八曽にある国有林。総面積は1158haで、その中の36.07haの「ふれあいの森」を、市民や子どもたちが楽しく学べる里山づくりを目的として、犬山市アメニティ協会と林野庁中部森林局との間で協定を締結。森林体験や、憩いの場としての環境づくりをエコアップリーダー(犬山市アメニティ協会所属)の「ふれあいの森グループ(長谷川清治グループ長)」が、月1回の作業で進めている。 |
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●健康な森林の姿を求めて 「この森林、一見すると健康そうに見えるでしょ。ところがね…」。高くそびえる木々に囲まれて空気はおいしく、そよ吹く風は心地よく感じるが、森林の健康度はというと問題をたくさん抱えている。手入れがされないため、光が差し込まない森。「光を求めて上へ上へと伸びる木々。密林状態でやせ、枯れている木もたくさんある」と、間伐や枝打ちの必要性を語るメンバーたち。「望ましいのは、物干しざおを、くるりと回しても当たらないくらいの間隔があること」と、健康的な森林を維持するために、人の手が必要となってくる。間伐をすることで日の光が差し、下草や低木が育ち木の種類も増えるという。 |
●チェーンソー講習を受け 「自然が大好き」「自然の生態系を守っていきたい」という思いであふれているメンバーたちは、森林についての学習をしながら、チェーンソーやのこぎりを使って間伐し、遊歩道の整備をする。メンバーの中には林業経験者がほとんどいないため、安全に木を切る方法や刃の研ぎ方などのチェーンソー講習会を受けての作業従事となる。エコアップリーダー1期生の亀之内武治さん(犬山市塔野地)は「ほっておけば20〜30年後にはどうなるか…。早くみんなで何とかしたいという思いで来ている。ここでの作業は体にもいいしね」と、使命感にも似た思いで参加。親子で作業をする長谷川範子さん(同富岡)も「自然が好きで、山や川に入っていると気持ちが落ち着く」と、森林効果を満喫しながらのこぎりを持ち作業に携わっている。 ●エコアップリーダー 「市民みんなで地域の自然を守ろう」と、犬山市環境審議会と犬山市が主催し、平成10年より養成講座を開始。森の構造や植物の生活形態、水辺の生き物と環境などの講座を受講し、修了生は148人。今年度は5期目で、26人が受講中。修了生は犬山市アメニティ協会に所属する。犬山市外の人でも受講できる。 (問)犬山市エコアップ課 0568ー61ー1800 |
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今 後 の 予 定
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●エコアップリーダーの活躍 1年間の養成講座を終了後、自分たちで進めたい活動を始めるエコアップリーダーたち。現在は「ふれあいの森グループ」のほかに10グループ=写真左下=が活躍している。その活動を紹介。 |
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@犬山さくら守 犬山市内にあるサクラを調査、保護する。整枝や治療、植樹活動をしながら、サクラの名所をよみがえらせる。 A広報学習グループ エコアップリーダーまつりの開催。月1回「エコアップだより」を発行。 広報犬山「犬山の自然」コーナーを担当。かるたを通じて犬山の環境を学ぼうと「環境カルタ」づくりもした。 B樹木の調査グループ 街路樹・公園樹・桜並木の高さ、太さ、枝の長さ、葉の幅と長さなどの測定。健康状態をチェックし、配置図、番号付けもする。 C野遊びクラブ(カワセミ) 自然を大切にする心を育てようと、ハイキングや魚取り、クリ拾い、野鳥観察など、野遊びの機会を子どもたちに提供。 D巨樹・古木調査グループ 巨樹、古木所在マップを作成。市内の巨樹、古木129本を調査し、写真撮影もした。 E野鳥グループ 野鳥観察などをしながら自然を知る。市民との野鳥観察会を開催し、今年度は「子ども大学」の講師も務める。 F調査し隊 四季折々の「ふれあいの森」の自然(植物、昆虫、鳥、キノコなど)を調査し、保全に役立てる。季節別の生物マップを制作中。 G昆虫調査グループ 犬山の昆虫を調査し保護に役立てる。昆虫採集を行い、標本の作り方の学習なども行う。 H湿地の学校 「ふれあいの森」にある湿地を調査して、環境や生物を保全する。日照確保のための間伐や整枝もする。 Iワークショップこころ 人と人、自分と自分をつなぎ直すことで人と自然をつなげる。「自然観」「こころ」を取り戻すワークショップを開催していく。 |
●教育の新しい取り組み(扶桑町教育委員会)・・・シリーズ2 |
●教員社会体験研修 「実社会に触れ自分を見つめ直す機会にするとともに、社会が学校をどう見ているのかも感じてほしい」と今年度から扶桑町教育委員会が実施。町内の小中学校6校から希望した5人の教員が夏休みの1週間、学校を離れて一般企業で研修した。 |
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「企画を聞いたときすぐにやってみたいと思いました」という教員歴22年、高雄小学校の中川和則教諭(44)と「これも研修の一つになると思い参加しました」という教員3年目、柏森小学校の野沢卓也教諭(25)の二人は8月18日から22日まで、扶桑町高木にあるスーパー・タマコシ扶桑店で研修をした。 サービス業での企業の努力や仕事の要領などが知りたいと研修先を小売店に決めた。店ではレジだけでなく、精肉や青果のパック詰め、商品の陳列や店内の清掃など、思っていた以上に多くの部門で仕事が体験でき感謝しているというが、ラップにしわが寄らないよう伸ばしながら包んでいくパック詰め作業など、見た目以上の難しさに「なかなか慣れなくて」と苦笑い。お客様あっての仕事とまず一番に客のことを考えること、厳しい競争の中でサービスの質を落とさずいかに効率を上げていくかなど、学校にいてはうかがい知ることができない企業の姿勢や努力、外部への依頼や交渉の仕方を学ぶことができた。 また、パートで働く母親がシフトを調整しながら学校行事に参加している大変さも分かった。この経験が社会科の授業に役立つことはもちろんだが、「教育の現場ですぐにどう生かしていくのかと言われると困る。何より経験することが大切だと思う」と中川教諭。野沢教諭は「アルバイトをしていた学生時代に戻ったようで、リフレッシュできた」と。「チャンスがあればぜひ違う職業にもチャレンジしたい」「研修先を自由に決められるのが魅力」と話す姿に、充実した研修だったことを感じる。 |
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