平成19年1月13日掲載



今回は江南市の泉徳寺と常観寺、犬山市の妙感寺と西蓮寺、扶桑町の東漸寺、大口町の全徳寺の6寺です。順不同。 





〔取材協力〕(株)松屋佛壇店




一翁山 妙感寺(いちおうざん みょうかんじ) 日蓮宗、本尊 大曼荼羅諸仏像 
犬山市犬山山寺7 TEL(0568)61-3377 
寛永17(1640)年、犬山市大本町辺りにあった天岳寺という曹洞宗の寺を松樹院日用上人が日蓮宗に改宗し妙感寺と号した。その後、第三世本地院日栄上人が当地に移し、通称・山寺と呼ばれる。境内には古墳時代前期に造られた前方後円墳「妙感寺古墳」(県指定文化財)があり、その上には最上稲荷が勧請されている。また、本堂裏には、犬山城主成瀬家6代・正典公の側室および、その子成瀬快園公など3基の大型墓碑が建つ。昨年より、落語会「山寺寄席」を開催している。次回は4月ごろに予定。

無量山 西蓮寺むりょうざん さいれんじ 真宗大谷派、本尊 阿弥陀如来
犬山市犬山東古券539番地 TEL(0568)61-3334
開基は美濃国主土岐之氏族・左京進源P茂が蓮如上人の門弟となる(法名・釋信慶)。文明3(1471)年2月、越前吉崎御坊大火災のためお別れすることとなり、その折、己の身代わりであるから大切にと言われ名号を拝領し、明応2(1493)年、宇留馬(鵜沼)に一宇を建立。文亀元(1501)年、犬山北宿(現在地)に移る。同3年に、實如上人より本尊絵像と坊号信蔵坊を賜り、慶長14(1609)年には教如上人より木佛木尊像を賜り、今に至る。境内には、犬山の元藩士で芭蕉門十哲の1人・内藤丈草の座禅石や句碑、イブキの巨木がある。

●佛光山 東漸寺(ぶっこうざん とうぜん 臨済宗妙心寺派、本尊 釈迦如来
扶桑町山那837 TEL(0587)93-0431 
創建年月は明らかではないが、開山が友峰和尚となっていることから、隣接する龍泉寺と同じ永正(1504〜1520)年代と推定される。創建当時は寺子山の龍泉寺境内にあったといい龍泉寺を西寺、東漸寺を東寺と呼んでいたが、やがて、寺号に禅の一字を加えて東禅寺、または、東禅庵と呼んだ。明治29(1896)年になって、禅に同音異字の漸が用いられるようになった。寛永6(1629)年5月の木曽川洪水により寺の建物はことごとく流失したが同17年、現在地に移転、再建された。明治21(1888)年松岩和尚の代に妙心寺の直末となり、同12年に建立された本堂兼庫裏は造り替えられた。
現在の本堂・庫裏は、平成7年5月に落慶法要が営まれた。

●桜雲山 常観寺(おううんざん じょうかんじ) 曹洞宗、本尊 阿弥陀如来
江南市小折町八竜114 TEL(0587)55-0447
当寺は通称「お釜地蔵(鋳鉄地蔵菩薩、鎌倉時代制作)」の名で知られ子供守護・子授り地蔵として霊験のある地蔵さまとして親しまれている。創立は不詳だが、平安(嘉祥・仁寿)のころに参議篁が地蔵菩薩の銅像を祭り「常観寺」と名付けたのが起こりといわれている。永禄元(1558)年、中興開基大広は寺の廃絶を憂い寺を再興し、六世心察は江戸(延宝、天和、貞享・1673〜1687)年間に生駒利勝と図り、寺院の大造営を行う。その後、天明7(1787)年、久昌寺十世慎亮果欽大和尚を再興開山に迎え、今に至る。 
約25年ぐらい前からは大相撲名古屋場所の湊部屋宿舎が開かれ、鐘楼の西側に造られた土俵でけいこに励む姿が見られる。

●弘誓山 泉徳寺(ぐぜいざん せんとくじ) 真宗大谷派、本尊 阿弥陀如来
江南市古知野町広見95 TEL(0587)55-1509
室町幕府8代将軍足利義政の近侍・大池忠吾国次が本願寺中興開基・蓮如上人に帰依し浄信坊と号し、上人の真筆6字の名号を受けて京都より尾張に下る。後年、上人が尾張巡錫の際これを助け上人の形見としてさらに名号を賜り、文明2(1470)年に尾張の国・丹羽郡古知野村に一宇を建立、今から536年前である。蓮如上人真筆の二幅の名号が、寺宝として伝えられている。現在の本堂は文化11(1814)年、約200年前に再建。内陣の総金箔の荘厳は明治23年に完成された。なお、当寺の梵鐘は、人間国宝長野垤志の昭和23年の作。
平成元年、開基500回忌を本堂内陣の復元を中心に伽藍を整備して盛大に厳修。本堂屋根瓦の葺き替えを同13年行った。

●福新山 全徳寺(ふくしんざん ぜんとくじ ) 臨済宗妙心寺派、本尊 聖観世音菩薩
大口町余野二-205 TEL(0587)95-2030
永仁2(1294)年、山姥を退治した福富新蔵により全徳坊として建立。文明7(1476)年、徳林寺開山・寿嶽和尚により全徳庵と改称され、その末寺となる。天正12(1584)年、兵火によって焼失。慶長3(1598)年、海甫和尚(創建開山)によって再建され明治34(1901)年、大休和尚(当山十世)により全徳寺と改称。徳林寺を離れ、本山の直末となる。平成元(1989)年、文雄和尚(同十二世)により諸堂を再建され、現在は、第十三世玄哲和尚。毎月第1日曜日午前6時30分から参加自由の座禅会を開催。昨年には書院と茶室が完成し「お茶会の会場を探してみえる方はご相談を」と話す。

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