●父親の介護がきっかけ・・・190120掲載

健康管理食宅配サービス けんたくん 加藤政夫さん(40)  
中堅社員として仕事に励んでいた加藤政夫さんに転機が訪れたのは約2年前のことでした。「父が糖尿病とその合併症などを患い、また母も介護疲れで倒れてしまったのです」。そこで加藤さんは休暇をとり、父親の介護の手伝いを始めます。糖尿病の治療には食事制限が必要。毎回の食事ごとに気を配らなくてはならず、その大変さを知ったと言います。少しでも負担を減らすことができないかと、インターネットで病態食について調べているときに出会ったのが、健康管理食宅配サービスの「けんたくん」(本部・大阪)でした。「けんたくん」は、管理栄養士の指導のもとに作られた病態食、高齢者食の宅配を行っています。糖尿病や高血圧、心臓病など、病状に合わせたエネルギーコントロール食や減塩食などを用意。魚の骨を取り除いたり、防腐剤を使わなかったりと体にやさしい食事を提供しています。自ら経験した介護をする家族の負担のことや今後の高齢化社会を見据えて、加藤さんは会社を辞め、岐阜県下第1号となる「けんたくん」=可児市美里ヶ丘=を開きました。
「腎臓病の方の食事のように、一般の家庭では難しいものまで対応しています。若年化が問題となっている生活習慣病の予防にも、ぜひ利用していただきたいと思います」。現在、加藤さんは岐阜県内をはじめ犬山市、小牧市、江南市など愛知県尾張地区を含む広い地域を配達に回る忙しい日々を送っています。地方自治体では価格制限など、さまざまな規制がある病態食の宅配事業ですが、加藤さんは利用者のためには選択肢を多くすることも必要と訴え、健康づくりの店として岐阜県の認定を、また可児市認定の配食サービス登録事業者となりました。「病院の医師からも認められましたが、同時に責任も感じています。宅配時にはできるだけ手渡しを心掛け、一人暮らしの高齢者の方には体調を尋ねるなど声を掛けるようにしています」。病状が改善されたという喜びの声や、時間にゆとりができたという家族からの感謝の声を聞くことが何よりうれしいそうです。もし父親が倒れていなければ、ずっとサラリーマンを続けていたと言う加藤さん。でも今はやりがいのある仕事をし、毎日が充実していると、笑顔で話します。



からだにやさしいお食事の宅配サービス
けんたくん


◆所在地 岐阜県可児市美里ヶ丘1丁目55番地
◆TEL (0574)61-5969



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