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●線には動きを色彩には柔らかさを
パースペクティブとは遠近法のことで、一般にはパースと略して、主に建造物の完成予想図のことを指します。設計者の意図を把握して建物の外装や内装のイラスト(パース)を描くのが、宮崎真由美さん=扶桑町山那=の仕事です。現在、パース制作はCG(コンピューター・グラフィック)が主流になっている中、宮崎さんはあえて手描きでパースを描いています。「筆を使うことで線には動きが、色彩には柔らかさが出ます。何よりも手描きの良さは、描き手の人間味や温かさが絵に表れること」と、手描きへのこだわりを話します。 |
「建築業を営んでいる父親の影響でこの分野に興味を抱き、小さいころから絵を描くのが好きだったことから、早い段階でパースの描き手になろうと決めていました」という宮崎さん。高校を卒業後、短大のデザイン科へ進み、恩師の紹介でパース専門の事務所へ就職します。 入社当時は建築の知識がなかった上、若く、しかも女性ということでつらい経験もしたそうですが、一度も辞めようとは思わなかった、と言います。そんな意志の強さや仕事への情熱から技術を身に付けていった宮崎さんは、周りからの勧めもあって独立、ことし2年目を迎えています。現在、午前中は、山口建鉄(株)=犬山市五郎丸=で企画案の内・外観パースの作成や、施工中の建物の簡単なイラストパースを作成するなど「お客様にとって建築をより身近に分かりやすく感じていただくためのサポート」も行っています。宮崎さんのパースは、確かな技術に加え、女性らしい感性と手描きの温かさが魅力。依頼された仕事に対して、いつも個々の要望に応えることを第一に心掛け、筆を手にする宮崎さんです。 |
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